今回はボードゲーム「ハツデン」のレビューを書きました。
※感想が多いので、細かいルール説明はありません!
ツイッターの画像と大まかな説明でご勘弁を!
ハツデンってどんなボードゲーム?
・ゲーム説明:5種類のエネルギーの発電所をつくり、街に電気を送れ!
・プレイ時間:30分
・プレイ人数:2人
・対象年齢 :10歳~
ハツデンのルールをざっくり箇条書き
コンポーネント
・自然エネルギーカード:5枚
太陽・地熱・風力・水力・バイオマスの5種類のカードがあります。
・発電所カード:40枚(5種類×8枚)
1つのエネルギーに対して8枚の発電所カード。
発電所カードは、発電量が1~4のものが2枚ずつあります。
裏には鉄塔の絵が描かれています。
・特殊技術カード:4枚
ゲームの進行に影響を与える4種類のカードです。
・街カード:4枚
電気を送る街です。
ゲームの目的
5種類のエネルギーの発電量で相手に勝ちつつ、適量の電気を街に送る
◆妻とハツデン⚡️
ittenの新作。2×5の2軸シーソーゲームでビリビリハツデン。4枚に絞り込まれた特殊技術カードも良い感じ。50回以上のテストプレイを重ねたって言われても今の私なら信じるわ。
正方形・高品質・送電線と三拍子揃ったお手頃2人用ゲームだと思います。鉄塔のガイコツ♬ pic.twitter.com/RqsEXomDkl— ゆれひ (LV:13) (@yurehi) May 19, 2017
ゲームの準備
・自然エネルギーカードを横一列に並べます。
・その横に裏向きにしてシャッフルした特殊技術カードを置きます。
・発電所カードも裏向きにしてシャッフルし、5枚ずつ配ります。
残りは山札として置いておきます。
・街カード2枚ずつを、特殊技術カードの縦の列の自分側に並べます。
・適当な方法で初めのプレイヤーを決めます。
アクション
まず、このゲームでは、発電量によって以下のように評価します。
横:5枚を足すことで街への発電量が決まる
手番では、①~④から1つを選んで実行します。
- 発電所の建設
- 発電所の改良
- 鉄塔の建設
- 送電計画の見直し
①発電所の建設
手持の発電所カードを1枚場に出します。
出せる場所は、以下の10マスのどこかです。
また、発電所カードは、対応する自然エネルギーの場所にしか出せません。
②発電所の改良
すでに出された発電所カードの上に重ねて置きます。
このときに出せるカードは、下のカードの発電量よりも大きいものでなければなりません。
尚、カードを重ねたマスについては、一番上のカードの発電量が適応されます
③鉄塔の建設
カードを鉄塔側(裏向き)にして、場に出します。
鉄塔=発電量「0」という意味です。
このときは発電所の建設と異なり、エネルギーを合わせる必要はありません。
また、発電所の上から鉄塔を建設すること、鉄塔の上に発電所を建設することはできません。
なぜ鉄塔を建てる必要があるのか?
→街への送電量は最大で12と決められているため、それ以上の電力は送れないからです。
④送電計画の見直し
カードを置かずに1枚捨て札にします。
捨て札にするときは、表向きにして置きます。
①~④のどれかを行ったプレイヤーは、山札または捨て札から発電所カードを1枚補充します。
ここまで行ったら、手番を交代します。
★特殊技術カード
4種類の特殊技術カードは以下の4つ。
これらは、手札の5枚とは別で数えます。
- CITY(蓄電池の導入)
- SECRET(秘密構造)
- SMART(発電効率化)
- DOWN(発電所縮小)
〇CITY(蓄電池の導入)
手番中、好きなタイミングで自分の街カードのどちらかに置けます。
置いた街は、許容できる電力の量が12に引き上げられます。
〇SECRET(秘密構造)
発電所カードを置くときに上から重ねておくことで、ゲーム終了まで、そのカードの情報を隠すことができます。
また、隠した発電所を改良する場合は、SECRETを取り除きます。
〇SMART(発電効率化)
このカードを引いたら、すぐに5種類の自然エネルギーカードのどれかの上に置きます。
置かれた自然エネルギーカードは、2ポイントで換算されます。
〇DOWN(発電所縮小)
自分の手番で、「発電の改良」を行う時に1度だけ使うことができます。
すでに置いてある発電所カードよりも発電量の小さなカードを置くことができます。
ゲーム終了
どちらかのプレイヤーが10マスを埋めたら、相手があと1度だけプレイして終了します。
得点計算方法は以下の2つ。
- 自然エネルギー単体での精査
- 街への送電量
〇自然エネルギー単体での精査
まずは、自然エネルギーごとに縦に見ます。
自然エネルギーカードを挟むように2枚ずつのカードを出している状態です。
お互いの発電量を比べ、大きいほうがその自然エネルギー(1ポイント)を獲得します。
発電量が同じだった場合は、どちらのものにもなりません。
〇街への送電量
次は、街ごとに横で見ます。
ここでは、相手と比べるのではなく、下の表に従って得点計算を行います。
街への送電量 | ポイント |
~8 | -1 |
9 , 11 | 0 |
10 | +1 |
得点計算の結果、多くのポイントを獲得していたプレイヤーの勝利となります。
『ハツデン』
街に電力を供給し、発電所毎に数字を比べ合う2人用カードゲーム。
縦軸のマジョリティ争いがメイン。横軸には、数字の上限値があるので大きい数字のカードをただおけばいいってわけではない。
横軸の合計値が10だと加点。なので、小さい数字を置く必然性もある。凄く面白かった!! pic.twitter.com/cU8DgidfeP— ニコ (@ikoan_kfa) May 18, 2017
ハツデンの感想
◎おもしろい!
見た目以上に戦略的思考が求められるゲーム。
このゲームで大事なのは、「情報をいかに与えないか」だと感じた。
最初は「上から発電所カード重ねられるなら、最初から発電量でかいカード出せばよくない?」って思っていたけど、プレイしてみるとその考えがいかに愚かだったかがわかる。
「最初に発電量4のカードを出すこと=そのマスはもう改良しないし鉄塔も建たない、また、そのマスだけで4の発電量があるから、横の残り4つのマスで合計「7」しか出せない」
と言っているようなもの。
つまり、「その自然エネルギーだけを見ればこちらが優勢だけど、全体で見たときは、相手に情報を与えすぎてるし、こちらも窮屈になっている」ということになる。
この辺がわかってくると、ゲームの複雑さを知ると同時におもしろさも知ることができる。
その他のルールも、かなり悩むように設計されてるよ。
このプレイ感、何かに近いと思ってたけどバトルラインだ。
この「あちらを立てればこちらが立たず」のような感じは、バトルラインに似てる。
◎接戦になるように設計されている
「街への送電量は11まで」っていうのが、このゲームのバランスをうまく調整してるね。
理由は、お互い10マス以内で発電できる量の最大値が22と決まっているから。
これは「大きな発電量の発電所カードをたくさん引いても、それが勝敗に直結しない」ことを意味している。
同じ量をやりくりするのなら、必然的に勝負は接戦になる。
さっきも言ったけど、「あちらを立てればこちらを立てず」だからね。
もちろん、うまい人とそうでない人で差は出るけど、その差がそれほど大きくならないので、最後まで気の抜けないゲームになってるね。
◎コンポーネントにテーマがすごく反映されてる
洗練されたデザインは非常にグッド。
カードをくっつけることで送電線がつながるのがおもしろいし、裏面も意味を成しているのがいい。
テーマ自体も惹かれる内容だし、色合いもすごく好み。
この辺は個人個人で感じ方が違うと思うけど、私としてはすごく好きなコンポーネントかな。
〇複雑さがわからないとおもしろさを感じられないかも
ただ淡々とカードを出して勝った負けたとやってるだけでは、このゲームのおもしろさにたどり着けない。
少しきつい言い方をすると、最初にプレイした時に誰もがおもしろいとは思わないかもしれない。
私の考えでは、この理由はコンポーネントにある。
どちらかというと軽めのゲームを想像させるコンポーネントなので、初めてプレイする人は、その感覚のままゲームに入ってしまっているんじゃないかな。
そのせいで、プレイした後に「あれ、これで終わり?」と思ってしまう人もいるのかも。
そういった意味では、ある程度ボードゲームをプレイしてきた人向けなのかなと感じた。
知ったかぶりの評価
いやー、おもしろいね。
こういう「ルールを反芻した先におもしろさが見いだせるようなゲーム」は、個人的に好き。
こんな人に勧めたい
・2人専用の複雑なゲームを楽しみたい人
・洗練されたコンポーネントのゲームが好きな人
・自然エネルギーに興味がある人